ラスベガスといえば、カジノやショー、高級ホテルが立ち並ぶ華やかな街。映画の舞台としても人気があり、ギャンブルのスリル、犯罪の陰謀、夢を追う人々のドラマなど、さまざまな物語が描かれてきました。今回は、そんなラスベガスを舞台にした名作映画をジャンルごとに分けていくつか紹介していきます。
ラスベガスを舞台にしたコメディ映画(ドタバタ・バカ騒ぎ)
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い (The Hangover, 2009)

あらすじ
ダグ(ジャスティン・バーサ)の結婚を祝うため、親友のフィル(ブラッドリー・クーパー)、ステュ(エド・ヘルムズ)、そして新婦の弟で変わり者のアラン(ザック・ガリフィアナキス)は、ラスベガスで豪華なバチェラーパーティーを開くことに。
最高の夜を過ごした…はずが、翌朝、彼らは史上最悪の二日酔いで目を覚ます。部屋はめちゃくちゃ、ステュの歯が抜けている、バスルームにはトラ、そして肝心の花婿ダグが行方不明!?
昨夜の記憶が完全に飛んでしまった彼らは、断片的な手がかりをもとに、ダグを探し出すためにラスベガス中を奔走する。果たして、結婚式までに間に合うのか…!?
「ハングオーバー!」は、おバカなコメディながら、意外とミステリー要素が強く、テンポよく楽しめる作品です!
ラスベガスを舞台にしているため、豪華なカジノやホテル、ストリップクラブなど、ベガスらしい雰囲気もたっぷり。実在するシーザーズ・パレスやベルラージオなどが登場するので、ラスベガス好きにもたまらないロケーションになっています。
ドタバタ劇の裏で、友情の大切さや、”バチェラーパーティーの恐ろしさ”(!?)を描いているのもポイント。何も考えずに大笑いしたいときにピッタリの映画です!
ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える (The Hangover Part II, 2011)

あらすじ
前作でラスベガスのバチェラーパーティーで大失態を犯したフィル(ブラッドリー・クーパー)、ステュ(エド・ヘルムズ)、アラン(ザック・ガリフィアナキス)。今度はステュの結婚式のためにタイへ!
「もう二度とあんな失敗はしない!」と、ステュは穏やかなブライダルパーティーを計画するが、結婚前夜、**ちょっとだけビールを1杯…**のはずが、翌朝、バンコクの汚いホテルで最悪の目覚めを迎える。
- ステュの顔には謎のタトゥー
- アランは頭を丸坊主に
- ダグは無事だが、新郎の義弟が消えた…!
- なぜか小さなサルが仲間に!?
完全に記憶が飛んだまま、彼らは消えた義弟を探すため、混沌の街バンコクを駆け巡る!
本作は、前作「ハングオーバー!」のスタイルをそのまま引き継ぎ、舞台をラスベガスからさらにカオスなバンコクに移した続編です!ラスベガスが舞台ではないのですが、今作を見ておくと、次作をより一層楽しむことができるので取り上げました。
「前作とほぼ同じ展開」との意見もありますが、舞台がバンコクに変わったことで、よりワイルドでクレイジーな展開が炸裂。**スラム街、寺院、ナイトクラブ、ヤクザ、サル…**など、ベガスとは違った”アジアの危険な夜”が楽しめます!
ハングオーバー!!! 最後の反省会 (The Hangover Part III, 2013)

あらすじ
度重なる”二日酔い事件”を経て、フィル(ブラッドリー・クーパー)、ステュ(エド・ヘルムズ)、ダグ(ジャスティン・バーサ)、アラン(ザック・ガリフィアナキス)の4人は、ようやく落ち着いた生活を送ろうとしていた。
しかし、アランの父親が亡くなり、精神的に不安定になったアランを療養施設に入れるため、仲間たちはロードトリップへ出発。 ところが、道中でギャングのマーシャル(ジョン・グッドマン)に襲撃され、ダグが人質に!
マーシャルは「お前らの知り合いのミスター・チャウ(ケン・チョン)が盗んだ金を取り戻せ」と命じる。こうして、ラスベガスを舞台に、最悪のトラブルが再び巻き起こることに…。
本作は、前2作とは違い、「二日酔い→記憶が飛ぶ→事件を解決する」というフォーマットではなく、ギャングとの対決を中心としたアクション寄りのコメディになっています。
特に、ミスター・チャウ(ケン・チョン)が大暴れするシーンが多く、前作以上にカオス度が増しています。シリーズの「ハチャメチャな展開」は健在ですが、二日酔い要素が薄れたことで、「これまでの流れと違う」と感じるかもしれません。
とはいえ、シリーズの締めくくりとしてラスベガスに戻る展開はアツい!前作・前々作を観た人なら、最後まで付き合う価値アリです。
マーズ・アタック! (Mars Attacks!, 1996)

あらすじ
ある日、火星から謎の円盤群が地球に飛来し、アメリカ政府は平和的に交渉しようとする。
しかし、**「我々は平和のために来た」**と宣言した火星人たちは、突如として人類を攻撃し始める!
彼らはレーザー光線で人間を焼き尽くし、動物の頭と人間の体を入れ替えたりとやりたい放題。世界はパニックに陥り、ホワイトハウスからラスベガスまで、あらゆる場所が襲撃される!
果たして、人類はこの”シュールで邪悪すぎる火星人”に打ち勝つことができるのか!?
「マーズ・アタック!」は、1950年代のB級SF映画をパロディ化した、ティム・バートン流のシュールなブラックコメディSFです!
- わざとチープな火星人のデザイン(巨大な脳みそ&ギョロ目!)
- 「ピュイー!ピュイー!」と鳴きながら人間を焼き尽くすシュールな攻撃
- 超豪華キャストが次々と無残にやられる(しかも爆笑ものの死に方!)
シリアスなSFではなく、あえて”バカバカしさ”を楽しむ映画なので、細かいことは気にせず、火星人たちの大暴れを堪能しましょう!
ベガスの恋に勝つルール (What Happens in Vegas, 2008)

あらすじ
ニューヨークに住むジョイ(キャメロン・ディアス)とジャック(アシュトン・カッチャー)は、それぞれ仕事と恋愛で最悪な状況に陥り、傷心旅行としてラスベガスへ。
そこで偶然出会った2人は、酔った勢いで結婚! …だけど、翌朝「こんなの間違いだった!」と即離婚しようと決意。
しかし、ジャックがジョイのコインでスロットマシンを回し、300万ドル(約4億円)を当ててしまう! 当然、ジョイも「私のコインよ!」と主張し、2人は賞金を巡って大バトル。
裁判所の判決は…
「6か月間、夫婦として共に暮らし、結婚生活を試すこと」
最悪の偽装夫婦生活がスタートし、嫌がらせ合戦を繰り広げる2人だったが、次第に本当の愛が芽生え始める——!?
本作は、**「偶然の出会い → 最悪のスタート → 次第に惹かれ合う」**という王道ラブコメの流れですが、ベガスならではのドタバタ感が加わり、楽しく観られる作品です!
キャメロン・ディアスのコメディエンヌぶりと、アシュトン・カッチャーのチャーミングな演技が魅力で、2人のテンポの良いやり取りが最大の見どころ。ラスベガスでの派手なナイトライフのシーンもあり、「ベガス旅行気分」を味わえるのもポイント!
ラストベガス (Last Vegas, 2013)(シニア版ハングオーバー)
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あらすじ
幼なじみの**ビリー(マイケル・ダグラス)、パディ(ロバート・デ・ニーロ)、アーチー(モーガン・フリーマン)、サム(ケヴィン・クライン)**の4人は、少年時代からの親友。
ある日、ビリーがついに結婚すると報告!しかも相手は年の差30歳の若い女性。これを機に、4人は人生最後の大騒ぎとして、ラスベガスでバチェラーパーティーを開くことに!
しかし、昔のようにはしゃげるのか?
長年のわだかまりを抱えるビリーとパディの関係はどうなる?
彼らの「最後のベガス旅行」は、予想外の展開へ…。
「ラストベガス」は、**シニア世代の「ハングオーバー」**とも言われるコメディ映画ですが、単なるドタバタ劇ではなく、人生の友情や老い、第二のチャンスを描いたハートフルなストーリーが魅力です。
ラスベガスの華やかなナイトライフに、シニアたちが挑戦する姿がユーモラスで微笑ましい。でも、その裏には「人生の終盤をどう生きるか?」というメッセージも込められています。
4人の名優たちのコミカルなやり取りと、ラスベガスならではのキラキラした雰囲気を楽しめる、大人向けのコメディとしておすすめ!
ベガス・バケーション (Vegas Vacation, 1997)

あらすじ
クラーク・グリズワルド(チェビー・チェイス)は、家族サービスのためにラスベガス旅行を計画! 妻のエレン(ビヴァリー・ダンジェロ)、息子のラスティ、娘のオードリーを連れて、憧れのラスベガスへ向かう。
しかし、期待とは裏腹に、トラブル続出のバケーションに…。
- クラークはギャンブルにハマり、全財産をスッてしまう
- エレンはエルヴィス風のマジシャンに夢中
- 息子のラスティはなぜかカジノで大儲けし、大人の世界へ足を踏み入れる
- 娘のオードリーはナイトライフの楽しさにどっぷりハマる
果たして、グリズワルド一家のラスベガス旅行は無事に終わるのか…!?
本作は、「ナショナル・ランプーン」シリーズ(National Lampoon’s Vacation)の4作目で、家族旅行をテーマにしたコメディの流れを引き継いでいます。
とはいえ、前作を観ていなくても十分楽しめる内容!「ハングオーバー!」のような大人向けのバカ騒ぎとは違い、家族全員で笑えるPG指定のコメディなので、ゆるく楽しく観るのにぴったり。
また、ラスベガスの有名カジノや観光地がたくさん登場するので、「旅行気分を味わいたい人」にもおすすめです!
ラスベガスをやっつけろ (Fear and Loathing in Las Vegas, 1998)

あらすじ
1971年、ジャーナリストの**ラウル・デューク(ジョニー・デップ)と、彼の弁護士ドクター・ゴンゾー(ベニチオ・デル・トロ)**は、ラスベガスで開催されるバイクレース「ミント400」を取材するため、ネバダ砂漠を爆走する。
しかし、彼らの本当の目的は「ドラッグまみれの狂乱の旅」。スーツケースにはLSD、コカイン、メスカリン、エーテルなど大量の違法薬物がぎっしり!
彼らは、幻覚にまみれた状態でラスベガスのカジノやホテルをさまよい、現実と妄想の境界が曖昧になっていく。そこに待っていたのは、アメリカンドリームの崩壊と、1970年代のカウンターカルチャーの終焉だった…。
本作は、アメリカの伝説的ジャーナリストハンター・S・トンプソンの同名小説が原作で、**ゴンゾー・ジャーナリズム(主観的な報道スタイル)**の代表作。
ストーリーを理解するというよりも、**「狂った映像と世界観を体験する映画」**というのが正しい見方かもしれません。LSDの幻覚を再現した演出や、シュールなギャグ、意味不明な会話が満載で、初見では「何が起こっているのか分からない」レベル。
派手なカジノ映画ではなく、**ラスベガスという街の「悪夢のような側面」**を描いた異色作です!
ラスベガスを舞台にしたクライム・ギャンブル映画
オーシャンズ11— ラスベガス史上最高のカジノ強盗計画!

あらすじ
出所したばかりのダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)が仲間を集め、ラスベガスのカジノ3軒から1億6千万ドルを盗み出すという前代未聞の強盗計画を立てる。ターゲットはカジノ王ベネディクト(アンディ・ガルシア)。オーシャンの目的は金だけでなく、元妻テス(ジュリア・ロバーツ)を取り戻すことにもあった。
「オーシャンズ11」は、1960年の**同名映画(フランク・シナトラ主演)**のリメイク作品で、クールでスマートな犯罪映画の最高傑作ともいえる作品!
- テンポの良い会話とユーモア
- 緻密に計算された強盗計画のワクワク感
- ラスベガスの豪華なカジノを舞台にした洗練された映像
すべてが完璧に組み合わさった、エンタメ要素満載の傑作です!
また、エンドロールまで気を抜かずに観ると、ラストの演出がさらに味わい深くなるので必見です!
オーシャンズ12

ラスベガスの巨大カジノを華麗に強奪したダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)率いる天才犯罪チーム。しかし、前作で盗んだ1億6千万ドルを取り戻すべく、カジノ王テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)が彼らの前に再び立ちはだかる。期限は2週間。追い詰められたオーシャンズ一味は、ヨーロッパへと渡り、新たなターゲットを狙うが、そこには伝説の怪盗ナイトフォックス(ヴァンサン・カッセル)という強敵が待ち受けていた…。
「オーシャンズ11」を観てからの視聴がおすすめ!本作は前作よりもトリッキーなストーリー展開と、ヨーロッパを舞台にした美しい映像が魅力です。映画のテンポが速いので、キャラクターの関係性をしっかり押さえておくとより楽しめます。舞台はラスベガスではありませんが、次作のオーシャンズ13で部隊が再びラスベガスとなるので、視聴をおすすめします!
オーシャンズ13

あらすじ
ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)率いる伝説の強盗チームが、再びラスベガスへ舞い戻る。今回のターゲットは、新たにオープンした豪華カジノ「バンク」の冷酷なオーナー、ウィリー・バンク(アル・パチーノ)。仲間のルーベンが彼に騙され、瀕死の状態に陥ったことを知ったオーシャンズのメンバーは、仲間のために壮大な復讐計画を立てる。
今回の作戦は、カジノを史上最大の大損失に追い込むこと。華麗な詐欺とハイテクを駆使し、彼らはバンクの帝国を崩壊させることができるのか?
本作は「オーシャンズ11」「オーシャンズ12」と比べて、よりシンプルでわかりやすい復讐劇になっています。スタイリッシュな映像と、テンポの良いストーリー展開は健在!
ラスベガスを舞台にした華やかな雰囲気も見どころで、カジノの裏側を覗くようなワクワク感も楽しめます。
カジノ (Casino, 1995)

あらすじ
1970年代のラスベガス。マフィアが裏で支配するカジノ業界で、アサ・“エース”・ロススティーン(ロバート・デ・ニーロ)は抜群の経営手腕を発揮し、巨大カジノの運営を任される。彼の幼なじみであるニッキー・サントロ(ジョー・ペシ)は、エースを支える一方で、その短気な性格が次第に組織の秩序を乱し始める。
そんな中、エースは美しくも謎めいたジンジャー(シャロン・ストーン)と恋に落ち、結婚する。しかし、彼女の奔放な性格とドラッグに溺れる生活が、エースの人生を狂わせていく…。
ラスベガスの豪華なカジノの表と、裏社会の暴力と裏切りが交錯する壮絶な物語が描かれる。
「カジノ」は実話をベースにした映画で、ラスベガスの裏社会をリアルに描いています。マーティン・スコセッシ監督らしいスタイリッシュな映像と、ロバート・デ・ニーロ&ジョー・ペシの迫力ある演技が見どころ!特にシャロン・ストーンの演技は圧巻で、彼女のキャラクターが物語に大きな影響を与えます。
派手なギャンブル映画を期待すると、意外と暴力的でダークな内容に驚くかも?でも、ラスベガスの光と影を知るには最高の映画です!
ラスベガスをぶっつぶせ (21, 2008)

あらすじ
名門マサチューセッツ工科大学(MIT)の優秀な学生ベン・キャンベル(ジム・スタージェス)は、医大進学のための学費が足りず悩んでいた。そんな彼の才能に目をつけた数学教授ミッキー・ローザ(ケヴィン・スペイシー)は、ブラックジャックでカジノを攻略する秘密チームにベンをスカウトする。
彼らの武器は、数学と記憶力を駆使した「カードカウンティング」。ラスベガスのカジノで大金を稼ぐことに成功するが、次第にチーム内の亀裂やカジノ側の監視が激しくなり、ベンは予想もしなかった危機に巻き込まれていく…。
果たして、彼らはカジノを出し抜くことができるのか?
本作は、実際にMITの学生たちがカードカウンティングを駆使してカジノから大金を巻き上げた実話を基にした映画です。派手なアクションは少ないですが、緊張感のある心理戦と頭脳プレイが見どころ!ラスベガスの華やかさと裏の怖さがリアルに描かれているのも魅力です。
また、ケヴィン・スペイシーの冷酷な教授役や、ローレンス・フィッシュバーン演じるカジノのセキュリティ担当との駆け引きもスリリング。ブラックジャックのルールを少し知っておくと、より楽しめます!
バグジー (Bugsy, 1991)

あらすじ
1940年代、ニューヨークの暗黒街で名を馳せたギャング、ベンジャミン・”バグジー”・シーゲル(ウォーレン・ベイティ)。彼は、マフィアの資金を使って西海岸へ進出し、ロサンゼルスで映画スターたちと交流しながら、新たな野望を抱く。
それは、荒野の真ん中に巨大なリゾートホテルとカジノを建設すること──すなわち、ラスベガスの誕生である。
しかし、恋人ヴァージニア・ヒル(アネット・ベニング)との関係や、マフィアの資金運用、建設コストの膨張などが次第にバグジーを追い詰めていく。果たして彼の夢は実現するのか?それとも…?
本作は、「ラスベガスを創った男」バグジー・シーゲルの実話を描いた映画です。今や世界的なカジノ都市であるラスベガスですが、その礎を築いたのは、実在したギャングだったという事実は驚きですね。
「カジノ」(1995) のようにギャンブルの世界を描いた作品ではなく、ラスベガスの誕生秘話に焦点を当てた伝記映画なので、マフィア映画や実話ベースの作品が好きな人におすすめです。
ハードエイト (Hard Eight, 1996)

あらすじ
ラスベガス近郊のカジノ。年老いたギャンブラーのシドニー(フィリップ・ベイカー・ホール)は、金もなく途方に暮れる若者ジョン(ジョン・C・ライリー)に声をかけ、カジノで勝つための技術を教え始める。
ジョンはシドニーの指導のもと、次第にギャンブルの世界に馴染んでいくが、場末のウェイトレス兼コールガールのクレメンタイン(グウィネス・パルトロー)と出会ったことで、彼の人生は思わぬ方向へと進み始める。
さらに、謎めいた男ジミー(サミュエル・L・ジャクソン)が現れたことで、シドニーの過去に隠された秘密が徐々に明らかになっていく…。
「ハードエイト」は、派手なカジノ強盗やギャンブル必勝法を描いた映画ではなく、ラスベガスの裏側に生きる人々の人間模様を描いた作品です。
ポール・トーマス・アンダーソンの長回しや静かなカメラワークが特徴で、登場人物の感情がじわじわと滲み出る演出が秀逸。カジノの煌びやかな雰囲気とは裏腹に、どこか寂しげな空気が漂うのも印象的です。
大きなどんでん返しはないものの、徐々に緊張が高まるストーリー展開で、最後まで目が離せません。ギャンブル映画というよりは、「人間ドラマとしてのクライム映画」として楽しむのが正解です。
コン・エアー (Con Air, 1997)(飛行機がラスベガスに墜落)

あらすじ
陸軍レンジャーの**キャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)**は、正当防衛で相手を殺してしまい服役することに。8年の刑期を終え、愛する妻と娘のもとへ帰るため、囚人輸送機「コン・エアー」に乗り込む。
しかし、この飛行機にはアメリカ史上最悪の凶悪犯たちが集められていた!
犯罪王**サイラス・グリサム(ジョン・マルコヴィッチ)**を筆頭に、囚人たちは飛行機をハイジャックし、逃亡を計画。
キャメロンは自分の身を守るだけでなく、無実の人々を救うために単身で犯罪者たちに立ち向かう!
そして、事件はクライマックスでラスベガスが舞台に…
「コン・エアー」は、1990年代を代表する大迫力のアクション映画!
囚人たちが乗る輸送機という「密室」×「空の上」という設定が、緊張感を生み出し、次々と事件が起こるテンポの良さも魅力。
特に、ジョン・マルコヴィッチ演じるサイラスが最高に冷酷で知的な悪役で、主人公キャメロンとの戦いが見どころです。
そして、クライマックスのラスベガスのど真ん中に飛行機が墜落するシーンは、アクション映画史に残る名シーン!ラスベガスのカジノやネオン街をぶち壊しながら飛行機が突っ込む映像は圧巻!
脳を空っぽにして楽しめる、王道のハリウッド・アクションです!
ラスベガスを舞台にしたサスペンス・スリラー映画(犯罪・アクション)
リービング・ラスベガス (Leaving Las Vegas, 1995)

あらすじ
ハリウッドの脚本家**ベン・サンダーソン(ニコラス・ケイジ)**は、アルコール依存症が原因で仕事も家庭も失い、生きる希望を完全に喪失していた。
彼は最後の望みとしてラスベガスに向かい、「酒に溺れ、死ぬまで飲み続ける」ことを決意する。
そんな彼の前に現れたのは、娼婦のセラ(エリザベス・シュー)。孤独な2人は惹かれ合い、一緒に過ごすようになる。しかし、ベンの破滅的な生き方を変えることはできず、セラは彼を受け入れるしかなかった。
果たして、この愛は救いとなるのか、それともさらなる絶望へと向かうのか…。
「リービング・ラスベガス」は、ラスベガスを舞台にした映画の中でも、最も切なく、心に深く残る作品のひとつです。
豪華なカジノやパーティーは登場せず、ラスベガスの夜の街で生きる孤独な人々の姿が描かれます。ベンとセラの関係は典型的なラブストーリーではなく、救いのない愛情の形がリアルに描かれているのが特徴。
また、ニコラス・ケイジの演技はキャリア最高レベルで、アルコール中毒の男を完全に演じ切り、アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
「生と死」「愛と破滅」について深く考えさせられる映画です。
ラスベガスを舞台にした人間ドラマ・感動系
ハネムーン・イン・ベガス (Honeymoon in Vegas, 1992)

あらすじ
ジャック(ニコラス・ケイジ)は、恋人のベッツィ(サラ・ジェシカ・パーカー)にプロポーズするが、母親の死に際の「結婚するな」という言葉が呪縛となり、なかなか踏み切れない。
そんな優柔不断なジャックがついに決心し、ラスベガスで結婚しようと計画! しかし、そこで出会った大富豪のギャンブラー、トミー(ジェームズ・カーン)にポーカーの勝負を持ちかけられ、なんと6万5千ドル(約900万円)を負けてしまう!
トミーは「借金の代わりにベッツィを週末だけ俺に貸してくれ」というとんでもない提案をし、ベッツィはジャックのために渋々同意。しかし、トミーは本気でベッツィを奪おうとしていた…。
ジャックはベッツィを取り戻すため、ラスベガスの街を駆け巡る大騒動を繰り広げる!果たして、ジャックは恋人を無事に奪還し、無事に結婚できるのか!?
「ハネムーン・イン・ベガス」は、ギャンブル&恋愛のドタバタ劇を描いた、軽快なロマンティック・コメディです。
「結婚間際に彼女を奪われる」というストーリーは、昔のハリウッド映画らしいシンプルさがありますが、ラスベガスのギャンブルの豪華さやエンタメ要素を存分に活かしたコメディになっていて、観ていて楽しい作品です!
特に、クライマックスの「スカイダイビング・エルヴィス」軍団のシーンは、めちゃくちゃバカバカしくて最高!90年代らしいコメディのノリを楽しめる映画です。
ラスベガスを舞台にした音楽・エンタメ系映画
エルヴィス・オン・ステージ (Elvis: That’s the Way It Is, 1970)

あらすじ
1970年8月、ラスベガスのインターナショナル・ホテル(現在のウェストゲート・ラスベガス)で行われたエルヴィス・プレスリーの伝説的なライブ公演を記録したドキュメンタリー。
この映画では、実際のライブ映像に加え、エルヴィスのリハーサル風景やバックステージでの素顔、バンドメンバーとのやり取りなど、貴重な映像が満載!
彼の華やかでエネルギッシュなステージパフォーマンスと、舞台裏でのリラックスした姿のギャップが楽しめる、ファン必見の作品。
本作は、ただのコンサート映像ではなく、エルヴィスのパフォーマンスと舞台裏の素顔が同時に楽しめる貴重なドキュメンタリー。
この時期のエルヴィスは、「ハリウッド映画俳優」としての活動を終え、完全にライブパフォーマーとして復活した頃。カムバックを果たした彼が、ラスベガスの観客を圧倒する姿はまさに「キング・オブ・ロックンロール」そのもの!
特に、彼の代表曲 「Love Me Tender」「Suspicious Minds」「Can’t Help Falling in Love」 などのライブ映像は必見!
エルヴィスの魅力が詰まったこの映画、ぜひ大画面&高音質で楽しんでほしい作品です。
ショーガール (Showgirls, 1995)(ラスベガスのショーガールの世界を描いた映画)

あらすじ
ラスベガスのトップ・ショーガールになることを夢見る**ノエミ(ノミ)・マローン(エリザベス・バークレー)**は、すべてを捨ててベガスにやって来る。
彼女はまず、場末のストリップクラブでダンサーとして働くが、やがて大手カジノ「スター・ダスト」の**豪華レビューショー「ゴッデス」**に出演するチャンスを掴む。
しかし、夢を叶えるためには、権力、嫉妬、裏切り、そしてセックスが支配する冷酷な世界で生き抜かなければならなかった。
トップスターの**クリスタル(ジーナ・ガーション)との火花散るライバル関係、プロデューサーのザック(カイル・マクラクラン)**の甘い誘惑、成功の代償としての危険な罠——果たして、ノミはショーガールの頂点に立つことができるのか?
「ショーガール」は、ラスベガスの華やかなショービジネスの裏に潜む、欲望と裏切りの世界を描いた作品です。
- 豪華なダンスシーンやラスベガスのナイトライフをリアルに再現
- 嫉妬、権力闘争、野心、セクシュアリティが入り混じるドロドロの人間ドラマ
- 過激な描写が多く、R18指定(そのため当時は批判も多かった)
当初は酷評されましたが、今ではカルト的人気を誇る作品となり、「エロティック・スリラー」として再評価されています。
ラスベガス万才 (Viva Las Vegas, 1964)(エルヴィス・プレスリー主演のミュージカル映画)

あらすじ
ラスベガスで開かれるグランプリ・レースに出場するため、レーサーの**ラッキー・ジャクソン(エルヴィス・プレスリー)**がベガスにやって来る。
しかし、資金を貯めるはずだったエンジン代をカジノでスッてしまい、アルバイトをしながらレースの資金を稼ぐことに…。
そんな中、ラッキーは美しい水泳インストラクターの**ラスティ(アン・マーグレット)**と出会い、一目惚れ。彼女を振り向かせようとアプローチを開始するが、ラスティも負けじとラッキーを翻弄する。
果たして、ラッキーはレースに出場できるのか? そして、恋の勝負の行方は…!?
「ラスベガス万才」は、エルヴィス・プレスリー主演映画の中でも特に人気が高いミュージカル映画です。
見どころはやはり、エルヴィスの歌唱シーン!特に、タイトル曲**「Viva Las Vegas」**は、今でもラスベガスのテーマソングとして有名で、この映画を象徴する一曲です。
さらに、ヒロインを演じるアン・マーグレットのダンスと歌も圧巻。エルヴィスとの息の合ったパフォーマンスが、単なるラブコメ以上の魅力を生み出しています。
レース、恋愛、カジノ、歌、ダンス!すべてが詰まった最高のエンターテイメント映画として、ぜひ楽しんでください!
まとめ
ラスベガスをテーマにした映画は多岐にわたります。クライム映画なら『オーシャンズ11』や『カジノ』、コメディなら『ハングオーバー!』や『ラスベガスをぶっ飛ばせ』、シリアスなドラマなら『リービング・ラスベガス』、アクションなら『コン・エアー』、SFなら『マーズ・アタック!』など、ジャンルに応じた作品を楽しめます。ラスベガスの魅力を映画を通して味わってみてください!
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